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保育園行きたくない!子どもが登園を嫌がる理由5選と年齢別の対処法を解説

朝、「保育園に行きたくない」と泣かれると、心が揺れますよね・・。行かせなきゃ!と思いながらも、無理矢理連れて行っていいのか__迷うこと、ありませんか?


子どもが登園を嫌がる理由は、年齢やその時の環境で様々です。
一見わがままに見えても、その億には不安やSOSが隠れていることもあります。

この記事では、そんな「行きたくない」の背景を整理しながら、子どもが保育園に行きたがらないよくある理由と年齢別にできる声掛けや関わり方をご紹介します。

この記事では、子どもの「行きたくない」に込められた気持ちや背景を一緒にひもといていきます。
小さなサインに気づき、声のかけ方や関わり方を見つけるヒントになればうれしいです。
親子が少しずつ安心して保育園と向き合えるように、寄り添い方を一緒に探していきましょう。

目次

子どもが保育園に行きたがらない理由5選

子どもが保育園に行きたがらない主な理由には、次のようなものがあります。

  • ママやパパと離れたくない(分離不安やさびしさからくる反応)
  • 新しい環境に不安がある(慣れない場所や人に戸惑う)
  • 保育園で嫌なことがある(小さなトラブルや苦手な活動がある)
  • 生活環境に慣れていない(朝の準備や園での流れが不安)
  • 体調が悪い(言葉にしきれない体の違和感や疲れがある場合も)

ママやパパと別れたくない

子どもが保育園に行きたがらない理由として、「親と離れたくない」という気持ちがあります。
これは「分離不安」とも呼ばれ、0〜3歳の子どもによく見られます。


まだ脳の発達途中にある幼い子どもには、
「親がまた迎えに来る」という感覚をまだうまく保てないことがあります。

家庭での時間が充実していほど、「離れるのが辛い」という気持ちが強くなることもあります。
また、慎重な性格の子や環境の変化に敏感な子は、不安をより強く感じやすいかもしれません。

新しい環境に不安がある

新しい環境への不安も、子どもが保育園に行きたがらない理由の一つです。幼児期の子どもにとって、慣れない場所で過ごすことはストレスになるものです。

保育園で子どもが不安を感じる要素には、次のようなものがあります。

  • 広い空間や大勢の人がいる環境
  • 先生や友達との関係
  • 自宅と異なる生活リズム

普段と違う環境では、子どもが「何をすればいいのかわからない」「自分の居場所がない」と感じることもあります。

だからこそ、家庭でも“保育園であった楽しかった時間”を一緒に話すだけで、子どもにとって安心感につながります。

こんな声かけをしてみるのもおすすめですよ。

  • 「今日のお歌は何だった?」(おたよりを見ながら思い出すのも◎)
  • 「どんなお友達に会えた?」
  • 「何が楽しかった?」

子どもによっては、うまく思い出せなかったりすることもありますが、大事なのは何を話すか” より ”話せる雰囲気”なのです。

尋ねる側が心配しすぎると、子どもも心配になったり、「これ以上心配させたくない」と思って話さなくなってしまうこともあります。

楽しい思い出が少しずつ増えていくことで、子どもの心の中に「ここにいていいんだ」という感覚が育まれていきます。

保育園で嫌なことがある

子どもが保育園に行きたがらない理由の一つに、保育園での嫌な体験があります。

友達とのトラブルや、先生との相性の問題など、小さなことに見えても、子どもにとってはとても大きなストレスになることがあります。

集団行動が負担に感じたり、失敗や叱られた経験から自己肯定感を落としてしまうと、「行きたくない」という形でサインを出すことも。

ときには、大人が気づかないような場面で悩んでいることもあるものです。

たとえば、「お気に入りのおもちゃを取られた」「トイレの場所がわからなかった」

そんななにげない出来事も、子どもにとっては“もう行きたくない”理由になるのです。

子どもは大人が思う以上に人間関係に敏感です。

だからこそ、気づかないうちにためこんでいる気持ちに、そっと目を向けてみることも大切です。

生活環境に慣れていない

子どもが保育園に行きたがらない理由の一つに、生活環境の違いによる戸惑いがあります。

家庭と保育園の「生活リズムの違い」は、ストレスになるものです。

特に、子どもが戸惑いやストレスを感じやすい要因は次のとおりです。

  • 早起きや決まった時間の活動
  • 食事の時間や内容の違い
  • 家庭とは異なるお昼寝の習慣

週明けや連休明けは生活リズムが乱れやすく、保育園の規則正しい生活に戻るのを嫌がる子もいます。
夜更かしによる睡眠不足は、朝の不調や登園拒否の大きな要因となります。

体調が悪い

子どもが保育園に行きたがらない理由として、体調不良が関係していることがあります。
息苦しさやだるさなど別の不調を感じていても、「お腹が痛い」「頭が痛い」といった表現をすることもあります。

子ども自身が具体的な体の不調をうまく説明できないことは、実際によくある話です

季節の変わり目や、休み明け、感染症が流行する時期などは、特に体調を崩しやすいタイミングです。

保育園での集団生活は体力を使うため、ちょっとした不調でも子どもにとっては大きな負担になりやすく、そのつらさが「行きたくない」という気持ちにつながることも少なくありません。

子どもが保育園に行きたくないときの対処法

子どもが保育園に行きたくないときの対処法は、以下のとおりです。

  • 子どもの気持ちをしっかり聞く
  • ポジティブな気持ちなるように声をかける
  • お気に入りのアイテムを持たせる
  • 生活習慣を整える
  • 保育園の先生と連携する
  • 思い切って休ませる

子どもの気持ちをしっかり聞く

子どもが「保育園に行きたくない」と言ったときは、気持ちに寄り添うことが大切です。
不安や悩みを理解できれば、状況に合った対応が取れます。

話を聞くときのポイントは3つです。

  • 優しく問いかける
  • 遮らずに、最後まで耳を傾ける
  • 問い詰めず、気持ちに寄り添って聞く

こうした関わりが、子どもが安心して気持ちを話すきっかけになります。

「どうして行きたくないの?」など、答えを急がず気持ちを引き出す問いかけもおすすめですよ。

1回の会話で解決しようとせず、何度も子どもと話す機会をつくりましょう。
子どもの表情やしぐさから気持ちを読み取ることも大切です。

ポジティブな気持ちなるように声をかける

子どもの気持ちを聞いたあとは、前向きになれる声かけを意識しましょう。
子どもに前向きな言葉をかけると不安がやわらぎ、登園への意欲を引き出せます。
たとえば、こんな声かけがおすすめです。

  • 「今日は何して遊ぼうかな?」と楽しい活動や遊びを話題にする
  • 「これ、おうちで飾ろうね」と保育園で作った作品や学んだことを褒める
  • 子どもの好きなキャラクターになりきって声をかける
  • 帰ったら一緒に◯◯しようねと保育園の後の楽しみを伝える

子どもの「楽しい」気持ちを一緒にふくらませる気持ちで声をかけてみてください。
その一言が、子どもの背中をそっと押す力になります

お気に入りのアイテムを持たせる

お気に入りのアイテムを持たせることは、保育園での不安や寂しさをやわらげます。ぬいぐるみやタオルなどの「移行対象」は、家庭のぬくもりや親の存在を感じさせ、分離不安をやわらげます。子どもに安心感を与えるアイテムは以下のとおりです。

  • 家族の写真
  • 親からのメッセージカード
  • お気に入りのキャラクターグッズ
  • ポケットに入る小さなおもちゃ
  • 大切にしているぬいぐるみ

施設によっては持ち込めるアイテムに制限があるため、保育園のルールを事前に確認しましょう。

生活習慣を整える

子どもが保育園に行きたがらない原因に、生活リズムの乱れがあります。

規則正しい生活習慣は心身の安定につながります。生活習慣を整えるには、睡眠・食事・準備の3つが基本です。
睡眠不足は、機嫌の悪さや体調不良を引き起こすため、早寝早起きの習慣を意識しましょう。

子どもは毎日同じ時間に就寝し、十分な睡眠を確保することが大切です。
睡眠時間を確保するためには、前日の夜に持ち物を一緒に準備しましょう。
就寝前に読み聞かせの時間を設けると、スムーズに眠りにつながります。
子どもの体内時計のリズムを整えるためには、起床時間を早めに設定して朝ごはんをゆっくり食べられる時間を意識してみましょう。

保育園の先生と連携する

保育園の先生との連携は、子どもが保育園に行きたがらない問題を解決するために欠かせません。担任の先生とは送迎時の会話に加え、必要に応じて面談の機会を設けましょう。面談では、家庭で見られる子どもの行動を具体的に伝えてください。

担任の先生は家庭と保育園での様子を照らし合わせながら、保育園に行きたくない原因を探れます。保育園の先生と連携を深めるには、以下のポイントを意識しましょう。

  • 連絡帳を活用して日々の様子を共有する
  • 好きな活動や得意なことを伝える
  • 朝の受け入れ時に一言声をかける
  • 友達関係の様子を把握して伝える
  • 家庭と保育園で対応方針を統一する

保育園での様子を把握し、家庭と保育園で対応をそろえると、子どもの不安をやわらげられます。

家庭の様子こそ、大切なヒント💡
 家での小さな様子や言葉は、先生にとって大切なヒントになります。
 「些細なことかも」と思わず、家での気になる様子や変化を、ぜひ具体的に伝えてみてください。

思い切って休ませる

子どもが「保育園に行きたくない」と訴えるときは、思い切って休ませることも大切です。
無理に登園させて、登園拒否が長引くと感じた時は、子どもの心身の状態を最優先に考え、休ませる判断も必要です。

子どもを休ませる際には責めるのではなく「今日はゆっくり休もうね」などと優しく伝えましょう。休ませると判断した時は、叱ったり否定したりせず、子どもの気持ちに寄り添う姿勢が大切です。

【年齢別】子どもが保育園に行きたくないときの対処法

子どもが保育園に行きたがらないときの対処法を、以下の年齢別に解説します。

  • 3歳以下
  • 4歳
  • 5歳

子どもの成長や年齢によって感じ方や理由は変わるものです。
ここからは年齢別の特徴を紹介します。

3歳以下

3歳以下の子どもが保育園に行きたがらない理由のほとんどは、保護者と離れることへの不安です。3歳以下の子どもは、保護者との分離に強い不安を感じます。

対処法のポイント
・ 「短い別れの儀式」を取り入れる 
  毎朝決まったハイタッチやハグなど、一定の別れ方を習慣にすると安心しやすくなります。
・ 「移行対象」を持たせる

  お気に入りのぬいぐるみや毛布など、子どもに安心感を与えるアイテムを持たせます。
・ 保護者の存在を感じられるものを用意する
 ・ 保護者の写真
 ・ 「お迎えに来るよ」と書かれたカード

 などを名札の裏に入れるのも、子どもの心を落ち着かせる一つの方法です。

4歳

4歳になると自我が育ち、「自分でやりたい」と思う気持ちが強くなります。
子どもの友達関係も複雑になり、登園を嫌がる理由がはっきりしてくる時期です。

子どもの想像力も豊かになるため、保育園での出来事が不安につながることも増えてきます。

対処法のポイント
 ・ 具体的な予定を伝える
 「明日は○○があるよ」と、具体的な予定を伝えると、前向きな気持ちを持ちやすくなります。
 ・ 気持ちを言葉で引き出す
 4歳の子どもは言葉で気持ちを表現できるようになる時期です。
 「どうして行きたくないの?」と優しく問いかけて話を聞くことも大切です。

5歳

5歳になると自我が確立し、自分の意見や気持ちを言葉で伝えられます。保育園に行きたくないと言うときも、理由を具体的に説明できる年齢です。

子どもが登園を嫌がる場合は、落ち着いて理由を聞きましょう。

その理由を「そうだったんだね」と受け止めたうえで一緒に考える時間を持つことも大切です。

5歳児は自尊心が育っているため、気持ちを尊重して接しましょう。

子どもが保育園に行きたがらないときに避けたい対応

子どもが保育園に行きたがらないときに避けたい対応は、以下のとおりです。

  • 納得しないまま無理やり連れていく
  • 他の子どもと比較する
  • 罰を与える

納得しないまま無理やり連れていく

子どもを無理に保育園へ連れて行く対応は、短期的には解決に見えても、長期的には問題を悪化させます。
親子の信頼関係が崩れ、保育園への抵抗感が強まるためです。

泣いて嫌がる子どもを無理に登園させると、不安や恐怖の記憶が残ります。

気持ちを受け止めてもらえないと感じると、子どもの自己肯定感も下がります。
大切なのは子どもが保育園に行きたくない理由に向き合い、気持ちに丁寧に寄り添うことです。

他の子どもと比較する

他の子どもと比較することは、子どもの心に深い傷を残します。
「〇〇ちゃんは保育園に行けているのに」といった言葉は、励ましのつもりでも子どもの自己肯定感を下げてしまいます。成長のペースや個性は一人ひとり異なるため、比べることに意味はありません。

他の子どもと比較されると「自分はダメなんだ」と感じ、保育園への不安や嫌悪感が強まります。子どもは大人が思う以上に敏感です。比較の言葉は健全な動機づけにはつながらず、主体性や自己決定力を奪う原因になります。

罰を与える

子どもが保育園に行きたがらないときは、罰を与える対応は避けましょう。罰は一時的に言うことを聞かせる効果があっても、長期的には子どもの成長に悪影響を及ぼします。

「行かないならおもちゃを取り上げる」「テレビを見せない」といった脅しは、保育園への拒否感を強める原因です。

保育園に行きたがらない子どもには「行きたくないときもあるよね」と共感しましょう。
安心できる言葉をかけると、信頼関係の構築につながります。不安を否定せず受け入れると、子どもは自分の気持ちを言葉で伝える力を育めます。

子どもが保育園に行きたくないときによくある質問

子どもが保育園に行きたくないときに、よくある質問は以下のとおりです。

  • どのくらいの期間続く?
  • 休ませるときの基準は?
  • どんな時になるの?

どのくらいの期間続く?

子どもが保育園に行きたくないと訴える時期は、一般的に数日〜数週間です。新しい環境に慣れるまでに1〜2か月かかることもあります。

週明けの月曜日など、特定のタイミングで保育園に行きたがらなくなることもあります。週末に家族と過ごすと、生活の切り替えが難しくなるためです。

保育園に行きたがらない子どもには、気持ちに寄り添いながら、無理のない対応を続けましょう。

休ませるときの基準は?

子どもに保育園を休ませるときは、明確な基準を持って判断することが大切です。

健康と安全を最優先に考え発熱や嘔吐、下痢などの体調不良がある場合は、迷わず休ませてください。
適切な判断は子どもの回復だけでなく、感染拡大の予防にもつながります。

子どもが登園前に腹痛や頭痛を訴えるときは、心理的ストレスが関係していることもあります。
このような場合、気持ちや体調を受け止めて、どう過ごすか一緒に考えることが大切です。
子どもが「休みたい」と自分の言葉で伝えたときには、否定せず気持ちを尊重して向き合いましょう。

どんなときになるの?

子どもが「保育園に行きたくない」と言いやすいのは、生活の変化や行事のタイミングが多いものです。
例えば、次のような時期・場面は、子どもにとって気持ちが揺れやすいタイミングです。

  • 年度初め(4月):入園・進級直後の環境変化
  • 5月:大型連休明け(休み明けのリズム崩れ)
  • 6月頃:参観日や親子イベント前(練習によるプレッシャー)
  • 9月頃:運動会練習が始まる時期(集団活動・競争ストレス)
  • 長期休み明け(夏休み・冬休み)
  • 発表会シーズン(12月頃):表現活動・人前に出るプレッシャー

☁️ 子どものタイプによって、感じやすい負担は違います
たとえば、
・ 体力が続きにくい子は、運動会や練習が続く時期にストレスを感じやすく
・ 記憶することが苦手な子は、発表会やセリフ練習がプレッシャーになることもあります。
うちの子にとって、「どんな場面がストレスなのかな?」と考えてみるのも、ヒントになるかもしれません

まとめ

子どもが保育園に行きたがらない理由はさまざまです。
・ 3歳以下は、保護者と離れる不安が大きく、安心できる声かけやお気に入りの物を持たせる工夫が効果的です。
・ 4歳は、理由を言葉にしはじめる時期。気持ちを丁寧に聞き、納得できるよう寄り添うことが大切です。
・ 5歳は、自分で選びたい気持ちや自尊心が育つ時期。選択肢を示して本人の気持ちを尊重することが効果的です。

一方で、
子どもを保育園に無理に登園させること、他の子と比べること、罰を与えることは逆効果になりやすいため、注意しましょう。
登園しぶりの期間やきっかけには個人差があります。

焦らず、家庭と保育園や幼稚園で連携しながら子どものペースに合わせて少しずつ進んでいくことが大切です。

そして、保護者のあなた自身も「今日もよく向き合った」と、自分をねぎらってくださいね。

🫧 保育士として、母として、わたしも「行きたくない」に向き合った日々がありました。
そのときのことを こちらの記事 に書いています。
子どもの「行きたくない」に、どう声をかけたらいいのか…悩んでいた、わたし自身のことです。
もしよければ、読んでみてください。
🫧 子どもの気持ちを 「言い換えずに受けとめること」 について考えた記事もあります。
こちらの記事 も、もしよければ読んでみてください。

他にも、子どもの気持ちや関わり方について書いた記事があります。
気になるテーマがあれば、ぜひ わたしのnote も覗いてみてくださいね。

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